空想は小説より奇なり

自作小説の連載がメインで合間に写真や雑記など書いてたのが最近では猫ちゃんがメインになってしまって・・・
小説のほかに雑記や我が町の沼部や多摩川界隈に猫ちゃんの写真なども掲載してます

田宮二郎 八ヶ岳高原ヒュッテ

1978年12月28日 木曜日 曇り〜雨

仕事納めの今日ぐらい昼飯は豪華にしたいとレストラン港へ行く皆とは別に、伊勢崎町はずれで980円なりのステーキランチを食べる。
雨のなか仕事場に戻り2時頃だったろうか、ラジオが臨時ニュースを流し始めた。

白い巨塔に出演中の田宮二郎さんが猟銃自殺を図った模様です。


嘘だろう・・・
そのニュースを聞いたとき一瞬そう思ったものだ。
あと2回の放映を残しているのに、それを見ずに自殺するなんて・・・
年が明けるとテレビのワイドショーは、田宮二郎さんの自殺報道は年末の騒動に輪をかけたように拍車がかかっていた。

30年前の衝撃的な田宮二郎さんの猟銃自殺が忘れられません。

私が田宮二郎さんを初めて見たのは、母に連れられて行った「悪名」という映画でした。
多摩川園内にある映画館は3本立てで大人が50円で子供は30円でした。
たいした娯楽もない昭和30年代の平均的レジャーといえば、映画や近場の遊園地で過ごすのが通り相場だったと記憶しています。

我が家から歩いて10分ほどで行ける多摩川園は、夏のスリラーショーやプール遊びに秋の菊祭り。それに猿山やたまに来るサーカスなど、子供の私にとってはワンダーランドだった。
そんな園内にある映画館は夏は暑く冬は寒く、毛布持参で見に行ったのをよく覚えてます。

それでも小学生にもなってなかった私に「悪名」の面白さなど分かるはずもなく、暑かったり寒かったことばかりが蘇ってくる。
母は田宮二郎のファンだったのかどうか聞いたこともないが、「白い滑走路」など白シリーズをテレビでよく見ていました。

私はといえば高校時代までは「若大将」シリーズに出演していた加山雄三さんの大ファンだった。
社会の一員となって働き出してからは高倉健さんに惹かれ、鵜の木の安楽座などで「山口組3代目」や「唐獅子牡丹」などを好んで見ていた。

そんな私が自ら田宮二郎という俳優を意識し始めたのは「高原へいらっしゃい」というドラマでした。
この当時ビデオデッキを持ってなかったので出張先の宿で、眠いのを我慢しながら1ヶ月間見たほどこのドラマにはまっていた。

5年ほど前リメイクされたこのドラマの内容を知ってる方は多いと思いますが、八ヶ岳にある廃墟と化したホテルを再建する物語です。
そのドラマで田宮二郎さんはホテルの支配人という役柄でしたが、実によく似合ってました。

夢も希望もない4人の若者を高原のホテルで働いてみないかと騙す役はモートルの貞のようでもあるし、運営資金が乏しい経営者としての顔は「白い巨塔」で見せた翳のある財前五郎のようでもありました。

高原へいらっしゃい」というドラマ全編を通しての田宮二郎さんはコミカルな役どころが多く、このドラマより遡ること4年前に放映された「知らない同士」を髣髴させた感がありました。

このドラマが放映された1976年といえば「ディスカバージャパン」や「いい日旅立ち」などで日本はペンションブームに沸き、観光地のいたるところに洒落た建物が林立し、それまでの民宿にとって変わろうという勢いは凄かったものです。
そういう時代背景を捕らえた脚本家の山田太一さんの手腕は見事でした。

それから2年後の1978年。
田宮二郎さんは映画で主演した「白い巨塔」のテレビ版として再び財前五郎役に挑みました。

この当時の田宮さんはM資金なるものに心を奪われていたらしく、日本のアイゼン・ハワードになるんだといってたようですが、実際には詐欺同様のこの手合いに騙されたようです。
その挙句躁鬱病になり、「白い巨塔」の撮影を中断してまでトンガに行ったりと、自殺間際まで田宮さんの行動はかなり奇天烈だったらしいです。

しかし一庶民の私にそんな田宮さんの詳細など知る由もなく、自殺したと報道されても、つい先日謎の死を遂げた飯島愛さん同様、どうしてだ?としか思えない訳です。
田宮二郎さんは「白い巨塔」で燃え尽きたかのように自らの命を絶ってしまいました。

それから30年後。
私は30年前と同様のデラシネのままですが田宮二郎さんが存命していたなら、どんな人生を送っているのかと思いを馳せてしまいます。

というより、「白い巨塔」や「高原へいらっしゃい」が相次いでリメイクされたのが4年ほど前。
もし田宮二郎さんが生きていたなら、田宮さん本人が再登場したんでしょうか?
否、田宮さんなら2本ともリメイクさせなかったんではないかと思っています。
また、田宮さんがあれからどんなタレント活動をしただろうかと考えると、これまたいろんな想像をめぐらしてしまいます。

薄っぺらで芸のない俳優が多い昨今、テレビやスクリーンに出るだけで存在感のある高倉健さん。
高倉健さんはストイックな限られた役柄が多いんですが、田宮二郎さんは硬軟を自在に演じ分ける俳優さんでした。
夜の世界でも田宮さんの顔は売れていて、「黒の試走車」の主人公として原作者の梶山季之さんに田宮さんを推したのは銀座のママだったそうです。
田宮さんの交友は広く芸能人の間にも三輪明宏さんらをはじめとした多くのファンを持っていました。

田宮二郎さんは今頃、あの世でも演技してるんでしょうか・・・
生きてれば73歳で、ニヒルやクールだけでなく渋みのある役者になってるのは間違いのないところでしょう・・・
それにしても、田宮二郎さんの自殺は衝撃を残しただけでなく、芸能界にとっても大きな損害を与えたんではないでしょうか?

何はともあれ、田宮二郎さんに合掌です。

追記
田宮二郎さんの高原へいらっしゃいについてのリンクです。
私自身が運営してるブログですが、ご覧いただければ幸いです。

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スレッドテーマ:テレビ・ラジオ テレビドラマ
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